易 占 |
幽学の自筆による易学・占関係の資料が収められている。新井流易学を学んだ幽学は、皆伝書の類を残している。『新井流易学皆伝秘書』や『易学記』などのほかにも『諸文書張込帳』といったかたちで何種類かの伝書、易占関係の資料がまとめられているものもある。 |
規 矩 |
規矩とは幽学が道友に与えた性学の規範・目標が書かれた書・短文のことである。幽学自身のことば、また中国の古典である易経・孝経・大学・中庸などからの引用もある。『三幅対』は掛軸三本が一対になったもので、会合でかけられ使用されることもあった。『規式解』は年中行事の解説である。 |
道 友 |
幽学は門人たちのことを「道友」(どうゆう)とよんだ。ここには性学の門人名簿が収められている。幽学の自筆のものはない。この『門人名前取調帳』は裁判のときに奉行所に提出されたものの控えである。 |
神 文 |
神文は道友が入門のさいに幽学に提出する誓約書のことである。神文には決まった書式があり、もともとは一通ずつ独立したものだが、現在は冊子にまとめられている。生前に出されたもの18冊、636人分が指定を受けている。 |
教 導 |
性学の方法に関する文書が収められている。『連中誓約之事』は前半に門人たちの誓いのことばと署名がつづられ、これに対する幽学の励ましの言葉が後半に続く。『教道筋奉申上候書付』は関東取締出役の取調べの際に提出されたもので、幽学の指導方法が述べられている。「景物」の添書の写しも残されている。 |
子供仕込 |
幽学は子どもの教育を重視した。生前に行われた元服についての資料が中心である。 |
先祖株組合 |
長部村における先祖株組合関係の文書が収められている。『為取替一札』、『請取一札』は組合発足当初の契約書類である。『先祖株総締高取調帳』は裁判の取調べの際つくられたものである。 |
丹 精 |
門人たちによる労働奉仕のことを丹精という。労働にあたった人数の控えが記録されている。 |
普 請 |
土木・建築関係の文書が収められている。『会合所寄進人足控』、『改心楼材木控』など改心楼建設の際の資材・人足関連の記録が主なものである。 |
叺 |
幽学の生活費に道友から差し出された叺米の控えである。 |
入 用 |
財政・経理・資産についての文書が収められている。「一件」とつくものは裁判に関係のあるもので、ここに収められた生前のものはすべて裁判関係の諸費用の記録である。『一件中諸入用荒増』『一件入用荒増』は裁判の経費や江戸滞在費などの費用についてのものである。 |
高松家 |
高松家とは裁判中に幽学の兄と名乗り、身元引請人であった高松彦七郎家を指し、かつてそこで所蔵されていたものが八石におさめれた。裁判に関係したものが主な内容となっている。また幽学と門人の討論集である『義論集』全3冊、幽学の言動を記録した『聞書集』全4冊が高松家で所蔵されていたため、ここに含まれている。 |
その他 |
前述の項目に該当しないものが収められている。幽学による治療・製薬の記録である『配剤録』、共同購入の際の『注文書』が目につく。ほかにも刀剣についての資料、短冊などがある。 |