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特集 あさひぐらし

移住・定住者座談会

旭の魅力を語ろう「ずっと住み続けたいまち 旭」

日時/令和5年12月18日(月)午前9時30分~
場所/市役所 市民ホール

住む場所・働く場所として旭市を選んだ皆さんに集まっていただき、移住や就業のきっかけから、住んでみて初めて知った魅力、暮らしを通して見えてきたまちづくりへの要望まで、本音でじっくり語り合ってもらいました。 “地域おこし協力隊“の視点も加わって、さまざまな角度から旭市の素顔が浮かび上がってきます。多くの人に伝えたいメッセージが盛りだくさんの座談会です。

座談会メンバー

旭市へ移住したきっかけは

Tomomi 私は都内でダンスインストラクターをしていました。結婚して旭市に住むとなればダンスの仕事は辞めざるを得ないと思い、1年以上も悩んでいたんです。でもタイミングよく旭市で、ダンスクラスを受け持てることになり、結婚と移住を決断することができました。
伊藤 私もTomomiさんと同じで結婚を機に旭市に移住し、妻の実家に同居しています。仕事はドラッグストア勤務で、もともと銚子市と旭市の店舗を往復していたので土地勘があり、仕事の面でもスムーズに移行できました。
 1年前に飯岡海岸近くで宿泊施設を開業しました。きっかけは、サーフィンが趣味の夫と一緒に飯岡海岸へ来たとき、たまたま見つけた土地を購入したことです。今は都内と行き来しながら1年の半分は旭市。移住を検討中です。
金子 平塚市で育ち、農業高校から農業の専門学校へ進み、将来は就農しようと早くから決めていました。農業専門の就活サイトで最初に目に入ったのが旭市の会社です。会社の実績と社長の人柄が素晴らしかったので迷わず入社しました。
長江 私は16年前に大阪から上京し、都内や千葉県内で働いてきました。趣味のドライブで旭市を訪れたときに「地域おこし協力隊」の募集を知り、応募したのが移住のきっかけです。

移住して良かったと思うことは

Tomomi 最初は知り合いがいないし、なかなか楽しみを見つけられずにいました。そんなある日、道の駅に行って食材の素晴らしさに驚いたんです。イチゴが絶品だし、子どもが大好きなトマトも豊富で「旭市最高!」って(笑)。「一つ一つの食材が素晴らしいから美味しい料理ができる」と再認識しました。
金子 こうして喜んでくれる人がいるから農家の存在意義があります。消費者の声を聞く機会は少ないので、Tomomiさんの話を聞けてうれしいです。私が旭市に来て良かったと思うのは、平塚市に比べてアスファルトの照り返しがない分、夏場の畑やハウス内の温度が低いこと。暑過ぎると仕事になりません。もう一つは、腕の良い大規模農家が多く、みんな仲が良くて人の温かさを感じます。
伊藤 銚子市には友人や先輩・後輩がたくさんいますが、旭市に来たばかりの頃は知り合いがおらず、家と職場を往復する日々でした。変化が訪れたのは数年経って地元の消防団に入団してからです。幅広い年代の人と交流が生まれ、消防団活動に対して地域の人から「ありがとう」と感謝していただくこともあります。どこに住んで何をするにしても、一番大切なのは人間関係です。縁あって旭市に住んで良かったと思っています。
 飯岡地区の皆さんはとても親切で、宿泊施設についても「飯岡地区をもう一度にぎやかにしてほしいから応援するわよ」と声をかけてくれます。野菜や卵など頂き物も多いですね。地元の人からの紹介で人と会うと1回で顔を覚えてくれて、そこからまた紹介がつながって、旭市がどんどん好きになっています。
長江 昼も夜もほぼ外食ですが、旭市には飲食店が300店以上あって、人口に対してものすごく数が多いんですよ。私は地域おこし協力隊として、史跡や絶景ポイントをSNSで発信したり、市のPR動画を撮影したりしています。旭市には何でもあるので、逆にどこからPRすればいいか難しいくらいです。

Tomomiさん(鎌数)

Tomomiさん

新潟県出身・ダンスインストラクター
平成29年10月に移住。結婚前は東京のダンススタジオに勤務し、旭市でもダンスの仕事を継続。

伊藤 和晃さん(鎌数)

伊藤和晃さん

銚子市出身・会社員
平成24年4月に移住。結婚を機に旭市内にある妻の実家に同居。地域の消防団員としても活動。

長江 純一さん(ロ)

長江純一さん

大阪府出身・地域おこし協力隊
令和4年9月に移住。16年前に上京。江戸川区、江東区、 浦安市などの在住経験を現職に生かす。

子育て環境をどう思う

Tomomi 幼稚園に通う子どもがいますが、旭市は医療が充実しているので安心です。それから、私は旭市に来てから運転免許を取ったのですが「車があるとこんなに便利なんだ!」と感激しました。公園やイベント、レジャーなど、行動範囲が広がり、子どもと一緒に楽しめます。
伊藤 うちは小学生の男の子が2人いて、休日は毎日走り回ったり、庭の花壇で土いじりをしたりしています。実家がメロン農家なこともあって、土や植物への興味が育まれていますね。すぐ近所に広い公園もあり、旭市の豊かな自然に包まれて伸び伸びと成長しています。
長江 公園が多いのは魅力ですよね。旭市では移住希望者を対象とした市内ツアーを実施していますが、公園が目に入るとお子さんたちが遊びたくて、いつも大騒ぎになります(笑)。子育て環境の面でも恵まれたまちです。
Tomomi 1回300円で受診できる「子ども医療費助成制度」や、月3,000円分の紙おむつ購入券の支給など、子育て支援策も手厚いですね。
伊藤 給付金などもありがたいです。市からその都度さまざまな子育て支援の案内をいただくので活用しています。

交通の便は実際どう

長江 先ほどTomomiさんから車移動の前向きなお話を聞けましたが、実は「免許がない」「ペーパードライバーだから運転が怖い」「バスの本数が少なくて不便」など、交通の便を心配する移住希望者が多いのも事実です。でも、旭市にはきらりんタクシーというデマンド型の乗り合いタクシーがあり、1日8便、ワンコインで家から病院や公共施設に行くことができます。そういう生活の足を増やせば不安解消につながるかもしれません。
金子 私は旭市に来る1年前に運転免許を取りました。平塚市と旭市の移動は電車だと時間がかかるので基本的に車です。そもそも畑でトラクターに乗るし、トラックで移動や出荷をするので、農業をするには運転免許が必要です。
 私も運転に慣れているので不便は感じていません。ただ、今後はインバウンドを含めて誘客を考えていきたいので、成田空港と旭、東京を結ぶ高速バスがあればいいのかなとも考えています。
伊藤 銚子市は観光地として有名で、中国や韓国からの観光客と電車で乗り合わせることがよくあります。旭市がもっと海外に向けて観光PRをすれば、勝負できるのではないかと思います。

枝 久美子さん(江戸川区)

枝久美子さん

葛飾区出身・宿泊施設経営
移住を検討中。夫の趣味のサーフィンがきっかけで、飯岡海岸近くで宿泊施設を開業。

金子 雅紀さん(後草)

金子雅紀さん

平塚市出身・農業法人勤務
平成31年3月に移住。新卒で就農し、キュウリや大根を中心に栽培。将来は農業で独立を目指す。

旭市に提言したいことは

Tomomi 旭市に定住してもらうには、子どもの教育が重要なテーマとなります。実際に「市内に高校が少ないので、高校進学のタイミングで転出するかもしれない」という声もあります。持ち家でなく賃貸住宅に住んでいれば、転出の決断もしやすいでしょう。その対策として、交通の便を良くして市外へ電車通学をしやすくすること、もう一つは住まいの支援を手厚くすることが考えられます。
長江 おっしゃる通りです。旭市は移住・定住をサポートする施策が充実しており、住まいの支援には「旭市定住促進奨励金」「旭市移住支援金」「空家・空地バンク」などがあるので、情報発信に力を入れたいと思います。令和5年度に開始した「空家・空地バンク」は、登録を増やそうと取り組んでいるところです。
伊藤 うちの子はまだ小学生ですが、将来的にTomomiさんが話したような進学の悩みが出てくるかもしれません。現時点で市にお願いしたいのは、通学路の安全確保です。道路が狭く街灯が少ない場所があるので、ちょっと過保護な気もしますが家族が車で送迎をしています。
長江 私は、商店街を〝チャレンジショップ〟のような形で利活用できないかと考えています。浦安市の事例で、駅前の物件を1年間無料で貸し出して開業してもらう取り組みがあり、希望者が殺到しています。ぜひ旭市でも挑戦してみたいですね。もう一つは、愛犬や愛猫を飼える賃貸物件を増やして旭市の〝売り〟にすること。移住希望者の気持ちをつかめるのではないでしょうか。
 うちを利用されるお客さまの4分の1がペットを連れて宿泊されますので、ペット可の賃貸を増やすのは効果的だと思いますよ。ほかに、旭市にあったらいいなと思うのが縁日です。私が生まれ育った下町では、町内会の縁日を子どもたちが楽しみにしていました。そういう地域の催しがあるといいですね。
金子 私は、銚子連絡道路がぜひ全線開通してほしいと思っています。成田や東京とアクセスしやすくなれば、旭市に来る人がもっと増えるはずです。それから個人的なことですが、同世代の若い人と交流する機会が少ないのが悩みです。何か良い交流の場はありますか?
長江 2か月に1回、おひさまテラスで移住者交流会を開催しています。幅広い年代が集まり、同世代の人とも交流できますので、今度ぜひお越しください。

移住を考える人に伝えたいことは

Tomomi 旭市に住んで、今ではだいぶ知り合いが増えました。友達が一人できれば、紹介で人の輪が広がります。人見知りの私でも、自分から一歩踏み出せば楽しく過ごせるのが旭市の魅力。旭市に移住したら、地域の皆さんとの交流をぜひ楽しんでほしいです。
伊藤 子どもたちが地元産の新鮮でおいしいものを食べて健康に育つのが、親としては何よりうれしいですね。それから、親子で楽しめるイベントも1年を通してたくさんありますよ。
 きれいな海があるし、公園も多いし、わざわざ遠出しなくても週末は市内で十分楽しめます。あまり知られていませんが、飯岡海岸では砂浜を車やバイクで走れるんですよ。砂浜のお散歩も気分爽快。たくさんの人に旭市に来ていただけるとうれしいですね。
金子 就農の視点からは、選択肢の多さが旭市の魅力です。普通なら産地によって作物が限定されますが、旭市ならイチゴ、メロン、ピーマン、キャベツ……、とにかく何でもあります。夏は海風が吹いて快適だし、秋は田んぼが黄金色に染まり、冬に霜が降りるおかげで野菜が甘くなる。就農するには最高のまちです。
長江 もう旭市の魅力は皆さんに全部言われてしまいました(笑)。個人的には、朝イチで飯岡海岸の砂浜に行き、コーヒーを飲みながらぼーっと過ごすのがお気に入りです。また、富士山の夕景や年2回のダイヤモンド富士は絶景です。こういうお金に換えられないぜいたくが旭市にはたくさんあるので、 ぜひ多くの人に味わっていただきたいですね。

座談会メンバー